[2022-03-11] 山梨県芦安温泉 なとり屋(4) 大石公園

[2022-03-11] 山梨県芦安温泉 なとり屋(3) 北口本宮冨士浅間神社

初めて大石公園を訪れたのは2011年だったと思う。どうして2011年といえるかというと、RICOH GXRにカメラユニットGR LENS A12 50mmをマウントして、ここ大石公園から見えた富士山を撮影し、フェイスブック投稿したことを憶えているからである。

E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0

どこかを訪れたときに写真を撮っておくと、存外にその記憶ははっきりしているもので、写真を見返すだけでそのときの情景が鮮やかに甦ってくる。最近はすっかり小説に倦んでしまい、新刊を手に入れてもすぐさま読んでみようという気が起こらない。そんななか、まだカメラを手放すことなく写真を撮り続けているのは、やはりこの記憶を喚起する「装置」としての魅力が大きいからだと思う。

E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0

写真を趣味とするのであれば、機材にも徹底的にこだわり、構図や現像を初めとした技術をさらに研鑽すべきなのかもしれないが、写真をアートではなく、あくまで記録・記憶だと割り切っている自分は、そこまで入れ込むつもりもない。

E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0

大石公園といえばハーブフェスティバルの会場としても知られ、十年以上前に訪れたときはちょうどラベンダーを植えている最中だったが、花季にはまだ早いこの日の公園は、焦茶色のラベンダーが整然と並ぶばかりで花はどこにも見当たらない。

E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0

しかし河口湖の方に眼をやると、はろばろしいまでの青空に大きな富士山が聳えている。

夏であれば、風に揺らぐラベンダーを前景に雄大な富士を構図にまとめて、いかにもそれらしい一枚を仕上げるところだが、とりあえず適当に富士山だけを撮り終えると、土産物屋をひやかしてみることにした。

E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0

だがこれといったものはない。若者の観光客向けのソフトに、クッキー、富士山に絡めた様々なグッズが素っ気なく並べられているだけの売り場には興味も湧かず、トイレをすませると早々に立ち去ることにする。

学生時代は、ここから御坂峠を越えて勝沼に出たものだが、今回の目的地は芦安である。国道20号に出れば、あとは記憶を頼りに先に進むこともできるが、カーナビに今夜の宿「なとり屋」の電話番号を入力すると、笛吹市市川三郷線を使って笛吹市に出る道を案内される。今まで走ったこともない道だが、こうして新しい道を開拓するのも面白い。今回はカーナビに従って芦安を目指すことにした。
(続く)

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