[2022-02-04] 湯河原温泉(1) 幕山公園の梅

湯河原温泉の定宿は伊藤屋と決めていて、昨年2021年の2月からおおよそ毎月通っている。GoToトラベルの期間中に湯河原の宿を数軒泊まってみて、この宿が一番居心地がよかったというのがその理由だが、湯河原温泉といえば奥湯河原も含めてどこも熱湯が定番で、なかには十分と浸っていられないものもある。そんななか、この宿の湯はそこまで熱くないのが魅力だった。

さて、この素晴らしい定宿については後に語るとして、この記事では幕山公園について記しておこう。幕山公園ではきょう、2月5日の土曜日から湯河原梅林「梅の宴」が開催されている。宿泊者には200円の入場券が手渡され、無料で見ることもできるのだが、別途駐車料金が500円かかる。

自分は開催日の前日に立ち寄り、少し手前の駐車場に止めて歩くことにしたのだが、金曜日にもかかわらず、会場にほど近いところでもまだ十分に空きがあった。

会場の入口にはたしか一分咲きとの表記があり、実際も写真の通り、まだまだといった感じではある。

出店ブースが建ち並ぶエリアには真新しい木片が敷き詰められ、明日からの賑わいを期待する雰囲気は十二分に感じられるものの、いまの感染状況でいかほどの集客が見込まれるかは定かではない。小田原方面へと帰る途中、練馬・品川といった東京の車を見かけたものの、土曜にも関わらず熱海方面へと向かう車は少なかった。

実際、宿の仲居さんに訊いたところ、今日の土曜日はもとより来週の三連休にもキャンセルがあったというから、どの観光地の宿もまたぞろキャンセルが相次ぎ、ひどいことになるのではと考えると気が滅入る。

SNSでは「落ち着いたら行く」というタグをつけて、各地の名所の写真をアップして魅力を伝えるといったキャンペーンも展開されているようだが、いったいいつ落ち着くのか先は見えない。一昨日だったか、夕方のニュースでもスキー場にほど近い温泉宿のキャンセルが2000件以上ということを報じていたことを思い出す。

さて、幕山公園は観光客も少なく、ゆっくりと愉しむことができた。とはいえ上にも書いた通り、満開にはほど遠い。山いちめんには細い枝を差し交わす梅林がひろがり、その向こうには薄水いろの空が冷たく張りつめているばかりだった。

おおよそ1時間強滞在して、車で湯河原の市街に降りることにした。宿へと向かう途中で湯河原駅の前を通過すると、思いのほか観光客らしき人影は少ない。

実際、先月訪ねたときは感染者数が落ち着いていたこともあってか、宿泊客が思いのほか多かったのに較べると、今回は宿の入口に並べられたスリッパの数から推すと五組だったと思う。金曜日でこれは少ないほうだろう。おかげで今回はゆっくりとこの宿の湯を堪能することができた。
(続く)

[2022-02-04] 湯河原温泉(2) 出雲大社相模分祠