[2022-02-04] 湯河原温泉(3) 伊藤屋・客室と浴場編

「湯河原温泉(1) 幕山公園の梅」でも取り上げた湯河原の幕山公園に向かう前に、「道の駅足柄・金太郎のふるさと」でランチをとることにした。

道の駅足柄・金太郎のふるさと ( SIGMA sd quattro + SIGMA Contemporary 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM )

「道の駅足柄・金太郎のふるさと」に立ち寄るのは初めてだが、カーナビで電話番号を検索しても表示されないので住所を入力するもはじかれてしまう。仕方なく適当に付近の住所を入力して車を走らせると、看板が見えてきた。ランチは安くあげるつもりでいたので、適当にからあげ定食と魚介出汁ラーメンを注文する。味はまあまあ、といったところか。いわきにある「道の駅よつくら港」の唐揚げと較べるのは酷だろうかと思うものの、やはり食べ物は福島の方が美味しいと感じる。

SIGMA sd quattro + SIGMA Contemporary 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

みやげコーナーには地産の蜜柑なども売っていて、明日もう一度立ち寄ろうと決める。またここには、いつも小田原のラスカで土産にと購入していた「大雄山天んぐ」の下駄まんじゅうが単品で売っていたのでこれも明日買うことにしよう。

以前、大雄山最乗寺を参拝したあと、小田原に向かう道すがらひどい渋滞に巻き込まれたことを思い出し不安になるが、この日は幸い大きな渋滞もなく、難なく小田原駅近くを通過していつもの海岸線に出ることができた。幕山公園に直行して、まだ一分咲きの梅を見たのは先の記事に記した通りで、いつもであればチェックインの時間までまだ時間があるからと、宿の駐車場に車を止めて万葉公園を散歩するのだが、幕山公園を降りて湯河原町内に入ったときには2時30分を過ぎていたのでそのままいつもの宿「伊藤屋」に入る。

[2022-02-04] 湯河原温泉(1) 幕山公園の梅

車を停めて宿へと歩いていると、折良く顔見知りの番頭さんが宿から出てきたところだった。気さくに挨拶をすませて、鞄を持ってもらう。自分はこの番頭さんをひそかに気に入っていて、――というのも、腰の低さとその所作が非常に美しいのだ。鞄を手にした後ろ姿は武術家のようでもある。

宿に入るとまず横に並べられたスリッパを見る。ここは男性用と女性用に分かれてい、その数を数えながら、きょうはおおよそ4、5組あたりかな、と考える。先月訪れたときにはスリッパが横2列に並んで大賑わいだったのに較べると、幸い今回はのんびりできそうでほっとした。

この宿の魅力は記事ひとつでは語り尽くせないほどで、まず先に述べた番頭さんや仲居さん、大女将の人柄の良さはもちろん、超高級宿というほどではない料金で充実したサービスを堪能できるところだろうか。ふたつある内風呂と、これもふたつある露天風呂は貸し切り制となっており、札をかけて自由に使うことができる。露天風呂だけはたしか夜には使用不可となるが、ふたつの内風呂は24時間入ることができるのもいい。

かつては女性用として使われていた内風呂 ( Olympus E-M1 MARK III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO )

なかでも自分が気に入っているのは、女性用として使われていた内風呂で、四つある浴場のうち、ここの泉質が一番いいと思う。さらっとした肌触りで無臭だが、露天風呂と違って消毒が過剰に入っていないのも好ましい。露天風呂は自動で消毒がなされる仕組みになっており、塩素臭が鼻につくので、ここ最近はめったに入ることがない。

内風呂の脱衣所 ( Olympus E-M1 MARK III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO )

浴室は四つあるものの、宿泊客が多いとこれがあっという間に埋まってしまう。仲居さんの話だとGoToトラベルの土日などは大変だったそうだが、予約制でなく、自由に入ることができるのがこの宿の売りでもあり、このあたりの融通はなかなか難しい。

宿泊客の多かった前回は、自分が風呂をあがると、女性二人が露天風呂と内風呂の扉を交互に眺めながら順番待ちをしていたのを見て申し訳ない気持ちになったものの、今回はそのようなこともなく、快適に過ごすことができた。

新館の十番 ( Olympus E-M1 MARK III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO )

いつもの仲居さんに部屋を案内される。今回は前回と同様、新館の十番だった。この宿は本館の登録有形文化財にも指定されている「大正十五年建築次の間付」に「和室8畳+次の間(大正・戦後築)」、「和室12畳+応接間」に泊まったことがあるのだが、個人的には今回の部屋である「和室10畳」はwifiの入りもよく、落ち着けるので気に入っている。

「本館52番」の隣にある露天 ( Olympus E-M1 MARK III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO )

夕食はいつもの通り6時からにしてもらい、女性用だった内風呂でゆっくりと身体をほぐして外に出ると、今回は珍しく他の浴場に誰も入っていなかったので、久しぶりにふたつの露天風呂にも入ってみた。もっとも人気の、「本館52番」のすぐ隣にある露天は湯温が熱めで長湯はできない。こちらは早々に出て、隣の露天に移ったものの、こちらはこちらで塩素臭が強く辟易しているところへ、どうやら隣の露天に誰かが入ってきたらしい気配がした。

もうひとつの露天 ( Olympus E-M1 MARK III + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO )

ざぶん、と湯に浸かる音とともに「うっ……くわあぁぁッ……うっふーッ」という妙に間の抜けた男の声が向こうから聞こえてくると、湯船に浸かり、頭にタオルをのせた老人の姿がありありと透視できるような気がする。塩素臭のする湯に長く浸かっていると身体が痒くなってきたので、シャワーで湯を洗いながして外に出ると、隣の露天にいた客が出てきたのとほぼ同時だった。

たいそうな年寄りかと思っていたのが、自分よりも年下の中年夫婦で、こちらがチェックインする前からロビーで番頭さんから色々と説明を受けていた二人だったのはおどろきだった。説明を受けていた、ということは初めての利用ということになる。自分などは、感染拡大著しいこの時期に敢えて初めての宿に泊まるのには躊躇いがあるものの、このあたりは人それぞれなのだろう。(続く)

[2022-02-04] 湯河原温泉(4) 伊藤屋・夕食編

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