[2022-02-04] 湯河原温泉(2) 出雲大社相模分祠

[2022-02-04] 湯河原温泉(1) 幕山公園の梅

小田原方面へは厚木まで一般道を使い、そのあと小田原厚木道路で小田原まで――というのがいままでの行き方で、もう何十年も前からこれと決めている。小田原に着いたら駅近くの駐車場に車を停め、安部公房が山口果林との“密会”場所にしていた昭和の帰り漂う喫茶店『豆の樹』でビーフカレーとハヤシライスを食べたあと、小田原城をそぞろ歩くというのが定番のコースだったのだが、毎月こればかりを繰り返しているとさすがに飽きてくる。

今回は小田原厚木道路を使わず、246号線で足柄まで下ってみることにした。厚木の裏道を駆使して日向薬師まで行くと、産業能率大学のあたりに新東名の伊勢原大山ICができたことを知る。このインターで降りれば新東名で西から帰ってくる際には渋滞を回避することはできるのだろうが、旅行といえばここ最近はもっぱら東北ばかりで、2年前の名古屋旅行を最後に新東名は使っていない。

246号線に乗る前に比々多神社を参拝するはずが、横道に入るのを間違えてらしい。そのまま仕方なく西へと向かう。そういえば、と途中でこのあたりに出雲大社相模分祠があったことを思い出したところで、信号を左折しろとの看板が見えてきた。迷うことなく車をそちらに向ける。

裏道に逸れると、向こうにそれらしい建物が見えてきた。しかしこれは出雲大社のすぐ隣にある御嶽神社らしい。そのまま道なりに進むと駐車場はすぐだった。それなりの人出があり、砂利の敷かれた駐車場はそこそこ埋まっている。御嶽神社をひとまず素通りして出雲大社の境内を目指すと、大鳥居まではすぐだった。

おどろいたのは大鳥居のすぐ向こうに山羊がいたことで、調べてみると「出雲大社相模分祠からのお知らせ」に「ファーム田形よりヤギを譲り受け、斎館裏の竹林内で飼育を始め」とある。昨年からここにいるらしい。

境内のあちこちに和傘や提灯が賑やかに飾られているようすは、さしずめテーマパークのようでもあり、荘厳な感じはしない。そういえば出雲大社は他の神社とは参拝方法は違っていたことを思い出し、どうしたものかと考える。「2礼4拍手1礼」だということは知っていたが、禊祓詞も通常のものとはやや異なる。妙なことをして御利益が台無しになっては元も子もないので、ここは神語だけを唱えてよしとした。

本殿の向かって左にある祖霊社も参拝をすませて、湧き水がある「千年の森」にある龍蛇神の社へと向かう。

狭い経は一方通行になってい、後ろからすぐに人がやってくるので、どうにも急かされているような気がして落ち着かない。社の隣の売店ではペットボトルが売られており、ここの湧き水を入れて持ち帰ることができるらしい。

御嶽神社まで歩いて行くと、本殿の方から4拍手の音が聞こえてくる。

出雲大社の境内とはいえ神様が違うのだからと思い、ここは2拍手で天津祝詞を唱えて終わりとする。

すぐ隣の八坂神社には欅の大木が聳えたち、出雲大社よりも個人的にはこちらの方が神気が満ちているような気がするのは気のせいだろうか。

参拝を終えると、そのまま246号をさらに下り「道の駅足柄・金太郎のふるさと」を目指す。
(続く)