[2021-12-09] 福島県 玉山温泉 石屋旅館(1)

最初の記事として、まずは昨年2021年の12月9日に泊まった福島県いわき市の玉山温泉を取り上げてみる。

実を言うとこの宿は、先週末の1月27日にも宿泊していて、これが三度目の利用となる。この宿の湯にはじめて浸かったときのおどろきは今も忘れがたく、まずはそのときのことを先に記しておこうと思う。

玉山温泉を知ったのは、バイパスを降りて道の駅よつくらへ向かう途中に「玉山温泉」と大書きされた看板を見かけたことがきっかけだった。いわきの定宿は、湯本の駅前にあるうお昭と決めていたのだけれど、昨年の12月9日といえば感染者数が激減していたころで、ふくしま県民割引の適用もあった時期に当たる。実際、11月中旬に泊まったうお昭は大変な賑わいで、客のあらかたが地元民だったことを思い出し、だったらこれを機会にいわきの他の宿を探してみよう思い立ち、そこで頭に浮かんだのがこの玉山温泉だった。

玉山温泉はいわきの北、四倉にあり、三軒の宿がある。里山の温泉地といった風情は地元の七沢温泉に似ているかもしれない。もっともあちらは厚木駅からバスが通っている一方、玉山温泉の周囲にバス停らしきものも見当たらない。実際、楽天トラベルを見ても「交通アクセス」の欄には「四倉駅から車で7分、常磐自動車道四倉ICより5分」とだけあり、つまりは車での移動が必須となる。

この日は、常磐道を勿来インターで降りてから勿来の関公園と塩屋埼灯台に立ち寄り、道の駅よつくら港と小名浜のイオンを行き戻りしているうち時間が過ぎ、宿に着いたころには四時半をまわっていた。

道の駅よつくら。国見 あつかしの郷と並んで福島ではお気に入りの道の駅

道の駅よつくらから小野四倉線をひた走り、カーナビが到着を示したところでフロントガラスごしに夕闇へ目を凝らすと、玉屋旅館の建物だけが見える。玉屋は三軒あるうち唯一の三階建てのつくりで、玉川温泉のなかでは一番奥にあるのだが、肝心の石屋旅館の看板が見当たらない。仕方なく藤屋旅館へと通じる狭い砂利道に車を入れて奥に進むと、その隣だった。

石屋旅館へと通じる道を石屋旅館から眺める

あとで女将に聞いた話だと、昔は玉山温泉の入口に宿の看板を掲げていたそうで、いったん閉業したときに取り壊して以来、そのままになっているらしい。建物は楽天トラベルにある通り「昭和の初期に建てられた昭和の風情たっぷりの木造2階建て」で、中もきれいに手入れされている。この日の宿泊客は自分たちだけで、二階の一番奥にある「和室12畳」の部屋へと通された。

「和室12畳」の部屋。布団は初めから敷いてある ( Olympus E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye )
広縁に椅子は一つ。写真の通り引戸があるので使うことはなかった ( Olympus E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye )

楽天トラベルには、この部屋と「14畳(8畳と6畳)」があり、「14畳(8畳と6畳)」は階段を上がって左に折れたすぐのところにある。浴場へと通じる階段とトイレにもっとも近く、また部屋の扉があった。自分たちが泊まった「和室12畳」にドアはなく障子のみで、このあたりはいかにも湯治宿らしい。

「和室12畳」から浴場に向かう途中にある共有冷蔵庫 ( Olympus E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye )
トイレは三つある。手前から男性用、和式、洋式 ( Olympus E-M1MarkIII + M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye )

トイレが近い自分にとって「トイレ無し」の部屋はハードルが高く、実を言うと、三年ほど前に気仙沼の民宿を利用して以来だろうか。だがこれが全館貸し切りとなれば話は違ってくる。観光業の落ち込みが続くこのご時世であっても、箱根や湯河原であれば全館貸し切りなどは考えられないことであろうとは思う。自宅から高速を使って四時間ほどとはいえ、それだけの価値はある。

(以下、浴室編へと続く)

[2021-12-09] 福島県 玉山温泉 石屋旅館(2) 浴室編

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